家族で沖縄旅行に行ってきました。
新たな発見の中で、皆さんの有益な情報になりそうなものを選んでご紹介していきます。
今回は車椅子の高齢者とベビーカーの赤ちゃんを同時に沖縄旅行に連れて行った際の良かった点・改善点を挙げていきます!
わかります。
旅行業に携わる私も、実のところ両親とできる旅行というのは、車で温泉宿に行くのが限界と思い込んでいました。
しかし、何事も考え方や視点を変えたり、色々と調べたり聞いたりすることで、できないと思い込んでいたことができるようになる瞬間があります。
今回の旅はまさにそれでした。
目次
不安・不満・不案内をどう克服するか【旅行前】
まずは今回の旅行の人員構成を紹介しますので、ご自身に照らし合わせて(体力や気力や身体機能などを)色々足したり引いたりして考えてみてください。
バツまる(男性:40代後半)
おはげ(女性:30代中盤)
うちのポニョ(=娘:1歳半)
ちっちゃいじいじ(男性:70代後半)
おっきいばあば(女性:70代後半)
以上5名。
補足ですが、娘は自分で歩き、自分の腰の高さの段差なら登る冒険野郎で(未だに男の子に間違われます)、あまりベビーカーは好みません。
また、ちっちゃいじぃじは神経系の病気で手術をしており、左半身が右の60〜70%位しか効かず、歩行は短距離のみ、車の乗り降りなどは可能です。
普段は行った先の施設にあれば車椅子を借りていて、なければ相当ゆっくりですが杖を使い頑張って歩いています。
不安材料の洗い出し
まずは車椅子は施設にあるにあるかどうか事前に調べる手間と、その結果による行動範囲の限定を減らすため、レンタル車椅子を自宅から持っていくことに決めました。
こちらが料金で、障害者手帳も持っているので以外に安く借りられることが分かりました。
- 要支援1:5,800円
- 要支援2:7,130円
- 要介護1:7,960円
- 要介護2:13,580円
- 要介護3:16,450円
- 要介護4:20,030円
- 要介護5:24,370円
(自宅に住む方の1ヶ月ごとの料金)
ちなみに那覇空港で借りることも可能です。
次にベビーカーですが、今回は現地はレンタカー移動ということもあり、実験的に『沖縄で中古の安いベビーカーを購入し、最後に売って来る』という変わった手法を取ることにしました。
後述しますが、この試みは最終的に失敗でしたのでオススメしません笑
そして荷造りですが、効率優先でフルに荷物を持ち運ぶ際のコンパクト化に主眼を置きました。
大きな荷物はスーツケース1・大型ボストンバッグ1にまとめました。
カートや台車がない場合は、おはげがうちのポニョを抱っこし、じいじの車椅子の膝の上にボストンバックを置き、バツまるがその車椅子を押し、ばあばがスーツケースを引くという完璧なフォーメーションで移動することにしました。
3泊4日なので厳選し、それでも空きスペースはありません…ほぼパンパンです。
帰路お土産を入れるスペースは、スマートトラベラーという洗濯物宅配サービスを利用することで確保する計画です(現在は沖縄のみ利用可)。
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旅行行程についても、無理なくゆっくりの計画を立てましたが、大型台風のせいでさらにのんびりになりました。
不満が出そうな箇所の予測
これはなかなか難しいですね。
例えば沖縄の歌が聴けるライブ居酒屋に行くという目的がありましたが、じいじが座敷で座れないので、椅子席があるかはGoogleMapで見て候補を挙げて、実際に電話確認して行き先を決定しました。
最近はどんどんバリアフリー化が進み、メジャーな観光施設はそれほど綿密に下調べしなくても不満はないですので、いい時代になりつつありますね。
不案内(どんな観光地がどこにあるのか分からない)を減らす
こちらは車椅子とベビーカーと必ずしも関連があるわけではありませんが、やはり車の乗り降り、トイレに行くなどにも少し時間の余裕が必要ですし、高齢者や赤ちゃんの体力を我々成人と同じく見積もるわけには行きません。
事前にガイドブックなどを渡して見ておいてもらうことにより、(願わくば)およその位置関係や、どんな施設があるのかなどをぼんやりとでも理解してもらうことは大変有意義です。
私の両親も完全にリタイアしており日常の時間はたっぷりありましたから、かなりガイドブックを読み込んでいたようです。
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空港での手順
予約サイトに車椅子のチェック欄があるサイトもあれば(例:ANA公式予約HP)ないものもありますし、複数航空会社を扱う予約サイトも数多いので、中には予約手順の中で事前にお知らせすることができない場合もあるでしょう。
航空会社は最善策を考えてくれるわけですが、物理的に当日では対応しにくい状況(飛行機のタイプ・空港設備など)もありえます。
事前連絡はお互いのためにしておくことを強くおすすめします。
車椅子利用の連絡先(JAL・ANA・スカイマーク・Jetstar)
下記に主要な4つの航空会社の車椅子利用における連絡先を例として挙げておきます。
利用者の状態・車椅子のタイプ・各社の対応は様々なので、ホームページ(HP)から連絡先までの手順を参考に、ご自身で確認をお願いします。
JAL
HP→お手伝いを希望されるお客様専用デスク→03-5460-3783[9:00〜17:00無休](その他メール・FAXあり)
ANA
HP→おからだの不自由な方の相談デスク03-6741-8900[9:00〜17:00無休](その他メール・FAXあり)
スカイマーク
HP →ナビダイヤル0570-039-283[8:00〜20:30無休](その他FAXあり)
Jetstar
HP →ライブチャット(スマホやPCでチャットメール)
または
特別なお手伝いが必要なお客様→車椅子をご利用のお客様→コンタクトセンター→0570-550-538または050-3163-8538[日本語9:00〜21:00]※予約電話番号と同一なので注意
チェックインから搭乗まで、ほぼ普通の流れ
今回はANAでしたが、中部国際空港では車椅子チェックインを受けてくれる窓口があり、そこでチェックインから荷物預けまでできました。
特殊なことは何もなく、あえていうならそこで
「持参した車椅子を預け荷物にして那覇空港で受け取りたい」
「搭乗口までの車椅子の介助は不要」
「少しなら歩行できるので、機内に入ってから席までは車椅子不要」
という事を伝えました。
ANAのカウンターの方が大変親切で、とてもスムーズでした。
その後も保安検査とトイレに行き、一番はしの搭乗口に向かいました。
保安検査場も車椅子から降りることなく、軽く探知機でチェックされたくらいで通過。
ここでふと見ると、うちのポニョを抱っこしているおはげちゃんが、車椅子に乗ったじいじの下半身をじっと見つめています…。
普段じいじは車椅子に乗らないから気づかなかったのですが、うちのポニョはじいじ大好きなのでよくくっついています。
じいじは左手の腕力が弱いので、抱っこはしないですが、椅子に座った状態で、膝の上に乗せて寝かしつけたりしてくれます。
いける!
案の定、すんなりじいじの膝の上にのり、遊びながら大人しく乗ってくれています!
今回の旅行を通して、これは相当助かりました。
搭乗時は係員さんに任す
ANAの方には「事前優先搭乗を行うので、早めに搭乗口でお待ちください」と言われていましたが、なんやかんや、赤ちゃんのおむつ替えだとかばあばが緊張したのかまたトイレいきたいだとかワチャワチャしてたら始まってしまいました。
本当は時間がかかる我々を先に乗せた方が段取りが読みやすかったのでしょうが、そこは嫌な顔をせず
「では申し訳ございませんが、最後にご案内するまでお待ち頂けますか?」
ですって。
こちらの方こそ申し訳ございません。
さてここで知ったことがあります。
中部国際空港では、搭乗ゲート通過後は係の方が飛行機の入口まで車椅子を押すきまりのようです。
ボーディングブリッジ(空港ターミナルビルから飛行機の入口まで伸びる可動式の廊下)に傾斜があるからだと思いますが、華奢な地上係員の若い女性が必死に押してくれます。
そのあとをおっさんがノコノコついていくのはけっこう精神的に辛いものがありますが、「規則ですので、私にお任せください」と言われたら黙るしかありません…泣
配席は赤ちゃんと車椅子利用者と介助要員の場所に注意
恥ずかしながら、今回まで知らなかったことがあるので説明します。
今回の飛行機は3席、中央に通路、3席となっており、我々はうちのポニョが初飛行機でパニクるかも知れないと警戒する余り、3席をバツまる、おはげ、ばあばにして一般の方がその3席のブロックに座らないようにしていました。
しかしルール上、車椅子利用者=手伝いが必要なじいじ1人きりの配席は不可で、となりに介助者が座らなければいけないというルールがあります。
幸い台風の影響か、乗客は少なかったので前後2席ずつに座ることにしましたが、往復とも隣に一般の方が来るということはありませんでした。
うちのポニョの名誉のために付け加えると、心配された大泣きや、それを超える超音波無差別攻撃もなく、ほぼ機嫌よく初飛行機はクリアしました。
念のため、おはげちゃんは大量のアンパンマンパン(大好物)を買い込み、泣きそうになったら食べさせ続ける、沖縄でいう、かめーかめー攻撃(これでもかと食べさせようとする老人の必殺技)の準備はしていましたが、それほどいらなかったようです。
ベビーカーを現地調達するも売れない最悪の展開
来ましたおはげちゃんの鋭い質問。
確かにじいじの膝の上作戦が成功しているため、そこは正直無駄な出費になるかもしれないことは頭をよぎりました。
ということで、2nd Street というリサイクルショップのチェーン店へ行き、小ぶりで、軽くて、古くて、安いベビーカーを探しました。
あったけど…選択肢は2択しかなく、かっちりした6,490円のやつと、ウレタン部分の破損がある3,630円のやつ。
勝手なイメージは¥2,000くらいでしたが笑
迷わず古びた方を選びます。
それでは、3泊4日使った実際の利用頻度はどうだったかというと…。
正直言って、この作戦は大失敗でした。
理由は今から考えると買う前に気づけよですが…
- うちのポニョは元々ベビーカーが好きではない
- じいじの膝の上の方が楽しい(ずっと構ってもらえるため)
- レンタカーの荷室を圧迫した
- 最後に売れなかった
- レンタカー店に迷惑をかけた
1と2はもはや説明はいらないと思うので、3と4を解説します。
レンタカーはトヨタヴォクシー(一世代前モデル)でしたが、車椅子とベビーカーを両方積み込むのは意外に大変でした。
チャイルドシートがあるので2列目に大人2人は窮屈で、3列目の半分席を使い、半分を跳ね上げて荷物スペースにしました。
跳ね上げてできたスペースにスーツケースを奥につめ、ボストンバックをその手前に置き、最後にベビーカー。
そして車椅子を3列目背もたれの後ろのスペースに置くと、微妙に幅を取りベビーカーと小競り合いをするのです笑
そこで、毎回車椅子のシートバックを倒してサイズを小さくして立てて積む事になり、手間が増えました。
なにより失敗だったのは、最後に売れなかったこと。
普段からリサイクルショップで物を売るのに慣れているかたはお気づきかもしれませんね。
慣れない我々にはこういう落とし穴があることを知らなかったのです。
- いらないと言われる可能性があること
- 値段が付かない品を、ただでいいですと言っても店側は引き取らない可能性があること
- 査定に時間がかかる場合があること
我々の場合はまず購入した店ではないところにいきました。
「あー…買えないですねー…破損があるので」
がーん。
たしかに持ち手のウレタンが破れてる部分があります。
しかし、最終日で飛行機の時間もあるし、あまり何件も回る時間はありません。
無料でいいから引き取ってもらえないか聞きましたが、それはできないとのこと。
まあお店には価値のないゴミと同じだから、無理ないですよね。
そこで、買ったお店に持っていきました!
そこでは買取り可能との答えが!
「では査定にうつりますが、前の方が査定中なので1時間程お待ちください…後でお戻りになりますか?」
運もあるかと思うのですが、意外なことに査定って時間がかかるものだったのです。
…と、こんな具合で実験的試みは失敗に終わりました。
レンタカーの店員さんに、不要なベビーカーなのですが、引き取ってもらえないかダメもとで聞いてみると、意外にも引き取るとの答えでした。
憐れに思って同情してくれたのか、何かの時に使えると判断されたのかわかりませんが、大変助かりました。
たぶん気の毒に思って、粗大ゴミだけど引き取ってくださったんだろうな、と思っています。
改善点はあるものの車椅子とベビーカーの共存は可能
結局今回の改善点は、自分の車も(さらに一世代前ですが)ヴォクシーなので一度積んでみれば良かったこと。
これにより、ベビーカーと車椅子が小競り合いをする可能性に気付けたと思います。
またベビーカーが必要なら家から持っていけば良かったこと。
変わった思いつき(現地購入、現地売却)で自分ではナイスアイデアと思いましたが、私如き凡人が、素晴らしいメソッドを簡単に発明できない、というわけです。
それを除けば、うちのポニョはじいじの膝の上で楽しそうでしたし、じいじも喜んで、我々も抱っこの時間が減り楽でした。
もし家族構成が似たような状況なら、一度試しに実験してみるといいと思います。
車椅子の人の膝の上に赤ちゃんが収まってくれるなら、劇的に楽ちんになりますよ!